新聞、テレビなどで 東北大震災、その後の状況が報道され続けている。津波で流された海岸近くには、高い堤防が建設され、流された後の瓦礫状態だったところが、きれいに整地されたり、の光景をよく目にしている。いつものように、なにげなくJR時刻表のページを繰っていたら、常磐線、上野駅から仙台駅まで、そっか、行ってみるか、になった。
切符を買いに上野駅へ。実は、近場の北千住駅で、「ジパング」(高齢者向けの割引切符)がオール自販機対応になってしまったのだ。いつ行っても、ほぼ行列で、あれこれスタッフと会話しながらの切符購入が出来なくなってしまったのだ。なんとなく、JRでの遠出が億劫になっていた。201キロ以上の乗車が条件で、使用できる。たとえば、新幹線ならば、熱海を過ぎないと距離不足で、だめ。常磐線ならば、上駅から終点の仙台まで、363.3キロなので、ジパング使用可、というわけ。(JR時刻表本は、毎月発行されており、ほぼ毎月買っています)。
大きな駅ならば、と上野駅へ。中央改札口近くの売り場へ。もちょっとで、外にはみ出るほどの長蛇の列。これほどだと、いつもなら即あきらめるのに、この日は、「いいんじゃん.並んでみよう…」というわけで、列に参加。結構いるじゃん、インバウンド・外国人もいるいる。よーくみると、家族連れ、お友達連れ、ご夫妻など、みーんなでの連れ行列。その分、長いわけだ。
それでも50分ほどは、かかりそう。その間、立ちっぱなし。でも、だれも文句をいうことなく、粛々と・・・」。20分ほど経った頃、すぐ前の並び人、ご高齢の女性、ご主人と代わりばんこに並んでいる。バトンタッチしたばかりの奥さんに、「たいへんだね」、と声をかけてみた。どこへ行くんですか、と尋ねると、「鬼怒川、温泉です」、と。そうですか、ところで、どこに住んでるの、と聞くと、「浅草です、近いけれど、ここら辺へは、あまり来ないんでね」、と。そこで、旅の達人の話。「あのおー、浅草ならば、東武線で、日光へ行けますよ、鬼怒川行きも出ていますよ」、と。更に「特急なので、快適な電車ですよ」、と教示。彼女、「ああ、そっか、松屋の上から出てるね、あれ、ね」と納得。入口の壁に寄りかかっていたご主人のもとへ。説明したらしく、手を振って、お辞儀をして、出て行かれた。いいことしたな…」。番がきて、すぐに切符ゲット。ほんと、50分並びました。
土日を避けて、月曜日に実行。神明町を6時のバスで出て、上野駅へ。7時前に着いてしまったが。構内のさぬきうどん店、ご常連さんらしき男性3名、10分ほど並んで、7時開店。ぶっかけの小もりうどん280円を、時間をかけてたべる。上野駅での早朝乗り鉄の際には、ほぼ、必ずここでうどんをいただきます。ホームへ出て、待つ、待つ、待つ。その間に、朝のラッシュ時の光景を眺めるのが、なんともいえない楽しみなのです。
10分前、7時50分、入線。ほぼ満席で「特急ひたち3号」、8時発車。終点の仙台駅まで行。仙台からの上り特急も、一日それぞれ3本の運行です。切符を買う時に、進行方向の右シートをとった。お隣は、若い男性。すぐにスマホをとり出し、しばらくいじっていたが、「おやすみなさい」、で勿来駅まで眠っていた。
お天気は、最高。筑波山の見える土浦あたり、田んぼは、田植えの準備がすすんでおり、水をはった田んぼも多い。水戸をすぎると、しばらくして、右手に海。防波堤、整地済みの土地が、ずっと続く。人通り、車の往来も少ない。海までの空間、人家、ほとんどない。楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江など、次々に停車。客はほとんど降りてしまっていて、ほんの数名しか乗っていない。駅に着いても、降りる人も、乗る人もいない。駅周辺でも、人影は少ない。それでも停まる。特急なのに、ちょくちょく停まる。駅周辺、桜の木が多い。満開だ。車窓からは、障子がぼろぼろの人家、トタン屋根がはがれている家、垣がが倒れている家などが見える。戻ってきたのか、自家用車のある家、洗濯ものが干してある家も、ときどき見える。これが12年後の「今」か、と。
列車は、相馬駅を通ると、海岸から離れ、内陸へ。終点の仙台は、すぐだった。12時26分着。最後まで乗っていた客は、何人だったのか。常磐線は、なんども乗っていたが、通しの乗車は、初めて。
特段、目的もないし、仙台から、上野駅行きの「やまびこ」に乗る。朝8時に発った上野駅に戻ったのは、15時すぎ。行きは、4時間30分、帰りは、2時間の乗り鉄の旅だった。
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