7月28日、SDSの 集会に招ばれた。どこなのか、会場をさがすため広いキャンパス内をうろうろ。日本の大学のような、いわゆる立て看がない。どうやら、あれは、日本だけのものらしい。学生たちが、歩いている方向について行くと、会場があった。受付のデスクで、長髪の学生さんが、持ち物チェック。政治的な集会なので、しかたないかな。
黒人、白人、留学生などがおり、ヒッピー風の髭もじゃ、かと思えば、しっかりスーツを着こなした青年など、ともかく多彩だ。黒ジャンバーのミニスカート嬢がたばこを吸っていた。近隣住民らしき人たちも、参加者の中におり、100人くらいの集会だった。
開会が9時といわれていたが、実際に始まったのは、9時40分、夜の9時40分だ。日本では考えられない。先日、学長の要請で、警官隊がキャンパスに入った事件の、いきさつ報告があった。ベトナム介入に反対するトラブルだったようだ(知らなかった)。学生200人が逮捕され、それぞれ20ドルの罰金、18名が退校処分になったとのこと。
この後、ベトコン支持、キューバー革命支持、南アフリカ人種差別反対、毛沢東、ゲバラ支持など、次から次に世界中の革命家の名前が出てきた。ようやく、番が回ってきた。アメリカの植民地沖縄の実情、日本に返還をという運動を支持しよう、との決議を採択。採択文面は、あらかじめ用意してあって、日本人のわたしの発言は、ほんの5分くらい。それでも、金一封、50ドル、を頂いた。学生運動って金持ちなんだ、ちょっと違和感。
この3年間にアメリカの全学生の2%、13万4000人、が学生組織のメンバーであるとニューヨークタイムズ。コロンビア大では、全学生の5%、870人がSDSで活動している。組織の目玉スローガンは、黒人差別問題で、意外だったのは、黒人学生側の強い希望で黒人学生だけの学部の新設、黒人学生用の図書館、食堂などの設置が要求されているということで、どうも、理解しがたい思いだった。自ら自分たちを白人から切り離す、孤立化させるという黒人学生の意図がよくわからない。
アポロ11号は、無事月面着陸。日本でも、世界中の人たちが、テレビの前に釘づけになった瞬間。アメリカでも、もちろん大々的に報じられた。それでも、この快挙に反対した人たちがいた。地上に飢えた人、貧困、失業、病気などに苦しむ人たちがいるのに、多額の費用(250億ドル)、大勢の人材(20万)を費やしてやるべきことか。アメリカって、なんでも税金がかかる。コーヒー一杯、ノート一冊、毎朝の新聞にも別途税金がかかる。先日、はがきを買ったら、なんと税金4円。
またまた考え込んでしまいます。この国は、豊かなのか、それとも貧しいのか。