王子駅、久しぶりでした。
埼玉の高齢者団体のお手伝いをしていた頃、帰りがけのルートは、王子駅経由で、ここから都電に乗るか、都バスに乗るか、いずれもシルバーパス可能なのです。その王子駅周辺には、飛鳥山公園があり、博物館が3つもある。公園は、四季それぞれ、風情があり、特に春の桜は、見事です。ただ、花見見物人が多いのが難。
王子駅で下車すると、楽しみなのが、卵焼きと焼売です。
卵焼きは、JR王寺駅の裏側すぐのところにある『王子扇屋』。卵焼きしか売ってない、屋台風の店です。実際に卵を焼いている調理場は、奥の方にあるはずですか、売っているところは、気付かずに通りすぎてしまう。
ところが、です。この扇屋さん、昔は、料亭だった。1684年創業というから、江戸時代からの老舗。広重の絵に登場する立派な料亭で、この卵焼きを、江戸の人たちも味わっていたなんて、ロマンを感じます。今は、ちなみに、日本橋高島屋で買えるとのこと。値段は、本店(?)と同じ650円。
これまで、なんどか買いに行ったことがあり、いつも、店番兼料理人の高齢のご主人だったのに、この日は、女性(やっぱり高齢)だった。そっか、ご主人、もしかして亡くなったのかな、と。しばらくして、もうひとりお客さん。常連さんらしい。特に急ぐでもなく、中から出てくる店の人を待つ。「甘すぎず、それでも味がしっかりしていて、ね」、というので「そうですよね、うまいんだよね」。
おしゃべりをしていると、後ろから声がかかった。「毎度、ありがとうございます」、と、見るとあのおやじさん。白いYシャッツに、紺色の背広姿、杖をついていたが、まちがいなく扇屋のおやじさんだった。今日は、町会の寄り合いがあったんでね、とのこと。「コロナで大変ですね」、というと、うちは、都や国などから、オカネもらってないけど、ま、いつものように、好きにやってるんでね、とのこと。なるほど、なるほど。この日も、650円の卵焼き、おいしくいただきました。
もう一軒は、焼売。王子駅前の反対側、「お札と切手の博物館」沿いにある豚肉専門店。息子と、その母(90歳くらい)のふたりでやっている店。息子は、肉を切っており、お母さんは、豚肉の焼売、ぎょうざを調理、それに店番役。肉の販売が主だが、焼売、ぎょうざも、結構、売れている。客が来ると、「ばっちゃん、お客さんだよ」、と息子が声をかける。中の方から、ばっちゃんが「あいよ」、と出てくる。いつだったか、トシを聞くと、もうじき90だよ、と息子。買うのは、いつも焼売。380円。買わない日も、なんとなく気になり、店番さん、健在かな、と覗いている。焼売、でかくて、6個入り。味、抜群。
帰りのルートは、本日は、都バス。王子駅から北千住駅まで、約40分。1時間に1本という路線バス。10分ほど走ると、北区から足立区に入る。足立の西の端、新田地区。ここに大きな団地ができた。「ハートアイランド」という高層ビル住宅地で、バスは、ビル群の中をぐるぐる回る。ここの小中一貫校(足立区立)に、うちの近くの子どもが通学しているので、存在は知っていた。
ハートアイランドを出ると、荒川土手。右に墨田川、左は荒川で、バスは、土手下の道路に沿って走る。住宅は、ほとんどないので、乗り降り客は、ほぼゼロ。
ここは、赤羽駅からのルートで、荒川に架かる江北橋、扇橋、西新井橋を見ながら、千住新橋をすぎ、堀切橋を渡って、堀切から綾瀬、そして神明町と3~4時間かけて自宅までを、月1~2回は、歩いていた。おかげで、11年前の東北大震災の日、浦和駅から神明町まで6時間ほどかけて、歩くことができた。
途中の江北橋の宮城側には、富士塚のある氷川神社、墨田川向こう側には、荒川遊園地が見える(今は、工事中)。西新井橋で、土手とわかれて側に右折。周辺は、最近、大学が新設され、若い人たちで賑わっている。ここから、10分も乗れば、北千住駅だ。
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