去年の今頃行って、乗ったわたらせ渓谷鉄道、思い出して行ってみた。10月31日。
いつものように、東武日光駅では、着いたばかりの電車から、人々が改札口めざして駆けだす。そこから、バス乗り場へ再びダッシュする。行列が長くなり、座席確保となると、30分、40分待たされる。「日光見ずして、日光語るなかれ」というわけで、最近は、外国人観光薬が増えている。
乗らない人、並ばない人、ほとんどいない。が、たまーにいる。東照宮と反対方向に向けて歩く。下り坂、300mくらい先には、JR日光駅。駅側と反対側に、小さなバス停。こわれたベンチがあり、ここに座って待つ。9時35分発のコミュニテイバスが来る。
乗客ひとり乗せ、出発進行。
東武日光駅前を通過、東照宮通過、旧古川電工の建物のある道を通過。バス停はあるものの、乗る人がいない。この道路122号線は、足尾を通り、榛名、沼田方面に行くことが出来る。長い、長いトンネル(日足トンネル)を越えると、春なら新緑、冬なら雪景色そして秋なら紅葉の景色が始まる。
で、紅葉をアテにして行ったのだが、紅葉らしき景色がない。景色は、いつもの通りなのだが、木々は、夏のまんまだ。途中で、ひとり病院通いの女性乗車。「紅葉、まだですねえ」、と話かけると「今年は、遅いねえ、いつもの年なら、紅葉真っ盛りなんだけどねえ}、と。上の方(中禅寺湖方面)は、ようやく色がつきだした、とは、運転手さん。
わたらせ渓谷鉄道の終点「間藤駅」で下車。ここでは、40分待ち。バスがやってきて
40人ほどの乗客が下車。駅にやってきた。「紅葉のわたらせ渓谷鉄道乗り」のJTBの団体さんたち。乗る前に、添乗員さんが「みなさん、実は、紅葉がいまひとつの状況で、本当にすみません。去年は、この時季最高の紅葉だったんですが。でも渓谷の流れは、きれいです」と説明。二両編成の列車が到着。沿線からの紅葉は、ほとんどな見かけられない。団体さんたちは、神戸(ごうど)駅で下車。駅前に、さっきのバスが待っていた。
この団体さんたちもそうだが、足尾銅山観光はしないとのこと。そもそもあしお渓谷鉄道は、足尾銅山の鉱石を運搬するトロッコが走っていた路線。16世紀に始めた鉱山で、
明治になり古川電工が本格的に開発した鉱山で、当時の日本の近代産業化の担い手であったが、昭和63年に閉山。ここから出る鉱毒で、田中正造が天皇に直訴するということもあり、日本の公害運動の原点ともいわれていることは、知られている通りだ。
実は、昨今、韓国の徴用工が問題になっているけれど、足尾銅山には、多くの中国人が徴用されていたことは、あまり語られていない。いまも、彼等、中国人たちが住んでいた
エリアが遺されているとのこと。
足尾銅山が、田中正造のこと、中国人徴用工のことなど、を抜きに観光地化している、
わたらせ渓谷鉄道の沿線を楽しむためだけの観光列車乗り、なんだか、とても寂しい感じがした。もひとつ、渡良瀬川が、利根川になる途中で、渡瀬遊水地を形成し、首都圏の洪水防止に役立っていることも、もっと知ってほしい。
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