「ヒヨーショージョウ」
相撲の千秋楽、なんとなくテレビで見ていた。知った名前の相撲取り、ひとりもいなく、足立区内に部屋のある〇〇部屋の力士たちが、コロナで出場していないということもあって、銭湯へ行っても話題にならない。
熊本の正代とかが優勝し、表彰式を見ていたら、外国からの表彰状が在日の大使から手渡されており、それを見ていて、久しぶりに思い出した。
現役時代、たまたまルーマニア大使館の書記官だった男性と知り合い、着任したばかりの彼に、日本語、日本事情を教えることになった。こちらも、東ヨーロッパ事情を聴きたかったこともあり、月1回くらいだった。場所は、麻布のフランス料理のレストラン。そこのオーナーが、なぜか、食器、皿とか、グラスとかをルーマニア産の陶器を使っており、ワインで乾杯する際に「これ、ルーマニアのグラス」、と得意げに話していた。その彼氏から、電話がかかってきた。
「緊急にお会いしたい」、というので、何事かとレストランへ。実は、大使が帰国中で、大使の代わりということで大役を仰せつかった、と。その大役というのが、国技館で、千秋楽に優勝力士、ルーマニアのクリスタルを手渡す役だった。その際に、賞状を日本語で読まなければならない。日本語の正しい発音を教えて欲しい、というものだった。千秋楽まで一週間、なんどか会って、特訓した。そうそう、特訓会場が、飯倉のアメリカン・クラブだった。レストランの予約がとれなく、そちらにしたらしい。当時、まだ冷戦下の世界情勢で、東欧の大使館員が、アメリカン・クラブか、と多少は気になったのを覚えている。
千秋楽当日、靴をぬいで、土俵に上がり、表彰状を無事朗読したのを、浅草橋の寿司屋のテレビで見た。イントネーションも悪くない、うまくいった。
その後、「お礼です」、とルーマニア製の花瓶をもらった。今でも、わが家の玄関に置いてある。
しばらくぶりのブログ更新、楽しみにしている人もいます。これからもお願いします。この話もおもしろいので拝借したい!
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