2018年10月12日金曜日

仏像を訪ねて  身延の「木喰」、大報恩寺の快慶・定慶

高速路線バスで身延へ
今秋は、9月末と10月第二週に、三連休があり、10月連休三日めの八日、いつもの通り、思い立って出かけることにした。行き先は、山梨の身延町の身延なかとみ現代工芸美術館。身延出身の仏師木喰の特別展示会。新宿駅隣接の新宿バスタ(バスターミナル)から出ている身延行きバス、7時45分に乗車、乗客は、14名。路線バスなので、途中の停留所(高速道路上)で乗せた客は3名だった。都内は曇り、山梨は晴れの天候だった。

木喰展
バスは、美術館前にとまり、帰りの時刻表を確認して入館。11時過ぎだったが、駐車場は、満杯だった。ナンバーを見ると、地元山梨、静岡、東京、大阪、京都、新潟など、遠方からの来館者が多い。入場料金は700円。場内の説明によると、身延で生まれた木喰は、22歳で出家、各地を廻り、61歳になってから第一作の釈迦如来像を彫り、93歳で亡くなるまで1000体もの仏像を作ったとのこと。大正12年になってから柳宗悦が山梨の甲府で最初の一体を発見、次々にその存在が明らかになってきたという木喰仏像。
展示の木喰仏像の顔の表情は、どれもなんとなく微笑んでおり、いかにもおかしい、というか、可愛いというか、童顔っぽく、どれもとってもやさしい。3,4年前だったか静岡県立美術館での「円空・木喰展」を観たことがあったが、今回の木喰仏像は、どれも圧巻だった。そういえば、パリのルーブル美術館の「モナリザ」の微笑、日本人観光客必見だそうだが、日本にだって、木喰微笑み仏像があることを忘れてほしくないものだ。
 木喰よりも100年以上前の仏師円空(岐阜生まれ)の方が、よく知られているが、どちらかといえば、木喰の方が好きだ、とひとりごと。

三連休最後の日の高速路線バス
美術館からすぐの富士川の土手で、持参のおにぎり昼食。富士川は、静岡の清水から甲府まで歩いたことがある。身延山のあるこの旧街道は、日蓮さんが歩いた道でもあり、かつては、山梨から太平洋側へ出る物流の富士川であった。今、JR身延線が走っているが、
利用者も減り、本数も少ない路線だ。ちなみに、JRの最寄の駅から美術館までは、タクシー利用しかない。
 13時35分の新宿行きの路線バスは、予定通りだったが、途中、各停留所で大荷物を持った帰省客(?)が、次々に乗り込んできた。外国人旅行者も、数名おり、予約制なの
で、ほぼ満席状態で、高速道路に入った。1時間ほど走って、後は、停まったり、のろのろ運転で、トンネル内でしばらく停車状態も。結局、新宿バスタに着いたのは、6時間後だった。神明町着が、8時すぎ。木喰には感動したが、高速路線バスは、最悪だった。

上野で、快慶・定慶のみほとけ展
10月10日、出かけたついでに、覗いてみようか、と上野公園へ。木喰の仏さんを観たばかりだったが、めったに見ることが出来ない、との触れ込みだった京都大報恩寺の秘宝仏像展。公園内の黄色くなった銀杏の実を蹴とばしながら、東京国立博物館へ。入館料は1400円。鎌倉時代の珠玉の仏像というだけあって、六観音、十大弟子立像、釈迦如来像など、さすが秘仏。展示の像の後側・背中部分にも照明があてられて、よく見ることが出来る。全て国宝、混雑状態ではなかったが、観覧者は多い。こちらの仏さんたちは、みなさん表情は、暗い、深刻な顔つきだ。仏さんの前に立つと、手を合わせたくなるような表情。平成25年だったが、運慶作の仏像展があり、行ったことがあった。こちらも、重要文化財だった。帰宅したら、仙台の知人から、東北の新米の宅急便。



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