2018年6月29日金曜日

「ヒットラーとわたし」  映画『ゲッベルスと私』

雨降り日は、映画、と決めている。夕べの予報では、雨だったのに、朝起きら、降ってはいなかったが、せっかくなので、映画日。神保町の岩波ホール。前回のマルクスでは、超満員だったのにこの日は、200あまりの座席、ほぼ半分の入りだった。
ゲッベルスは、ナチス・ドイツの宣伝大臣で、ヒットラーに次ぐナンバーツーの、あの戦争の実力者。彼の秘書だった女性が、当時を思い出しながらの、インタービュが映画の内容だ。103歳になった女性ーブルンヒルデ・ポゼムさん、の顔が、白黒映像の中心だ。103歳になると、人間の顔ってこんなになるんだ、と。深ーい皺の彼女が、しっかり語る内容に、当時の記録映像が、時々、写し出される。
この時代のヨーロッパでは、イタリアには、ムッソリーニ、ロシアでは、スターリン、そして、ドイツのヒットラー、という3人の独裁者が、活躍していた。ロシアのスターリンは
ウクライナの300万の農民を餓死させ、1934年には、反スターリン派300人を粛清したことなど、このあたりの歴史は、学んだ、読んだことがある。
ヒットラーが、オーストリアを併合し、第二次大戦開始となった1939年、なんと自分が、東京京橋の木挽町(東銀座)で生まれた年であることに、ふと気づいた。1942年にヒットラーのドイツ軍がスターリングラードで敗退、1943年ムッソリーニが失脚、
1945年、ヒットラーがベルリンで自殺し、終戦となった、こうした時代に子ども時代を過ごしてきたことを、今になって、そうだったのか、と実感している。
生き残ったソ連のスターリンの誕生日、モスクワでの式典に、中国の毛沢東、朝鮮のキム・イルソン(金日成、現金正恩の祖父)らが並んでいる写真、みたことがある。
ヒットラーの狂気の時代に、遠い極東の国で、わたしは、幼少を過ごしていたのだ。
映画のポゼムさん、
   「なぜ みんな、あんなにゲッベルスの演説に熱狂したのか」、
   「私は、罪を犯したのか、もしそうなら、ドイツ国民全員が罪を犯したと」。
日本人は、「あの戦争時、なぜ戦争に反対しなかったのか、日の丸を振って、多くの男
      たちを、戦地に送り出したのか」、と。
   原題は、A German Life (あるドイツ人の人生)。        6月19日

翌日は、日本映画『モリのいる場所』
昨日の映画館で、もらってきたパンフレットにあった映画を観ることにした。なんと2日続けての映画鑑賞。銀座4丁目の映画館。ついでに久しぶりで伊東屋へ行ってみるか、と
出かけた。雨だった。30分前から傘をさしての行列。評判の映画らしい。ほぼ全員が女性客。有名な画家熊谷守一さんご夫妻の日常生活が内容。高名な日本画家の先生だそうだ
が、知らなかった。94歳と76歳ご夫婦が主役。30年もの間、自宅から一歩も出かけたことのない画家先生が、自宅お庭で、植物や蟻などを終日鑑賞(?)している日々。文化勲章も辞退する、なんとも時代離れの御仁には、ただただ驚き、感心するばかり。
昨年だったか、『人生フルーツ』という映画を観た。建築家だった夫と3歳年下の妻が、
雑木林の中の一軒家で、野菜、果実などの自家栽培をしながら、ゆったり暮らしている様子は、感動モノだった。
   「風が吹けば、枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば、土が肥える。土が肥えれば、
    果実が実る。こつこつ ゆっくり、人生フルーツ」

この5月22日、待望の八十歳になった高齢者の目線、まだまだ迷いを引きづっている。





2 件のコメント:

  1. 「風が吹けば、枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば、土が肥える。土が肥えれば、
        果実が実る。こつこつ ゆっくり、人生フルーツ」
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    1. 建築家だった夫が作った団地は善福寺川沿いの「阿佐ヶ谷団地」 それも今は立派なマンション群と代わりましたが、ゆったり緑のイメージはそのまま残っています。「人生フルーツ」まさかのラストに泣けました。まだ見ていなかったら阿佐ヶ谷北口のミニシアターで上演中。 

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