テレビで、北海道や東北の紅葉が伝えられ、それを見ていたら、こうしている場合じゃない、行くしかない、といつものように勝手に決意。10月15日朝、天気もよさそうだし、と6時半に神明町を出た。
朝7時。北千住駅の自動券売機の前で、一瞬、考え込んだ。どうするか、バスで湯元往復するか、それとも、わたらせ渓谷鉄道 にするか。金曜日だし、曇り空なので、そう人出は、ないはずだ。と、「大丈夫ですか」、と声がかかった。後ろをみると、駅員さんが立っていた。「ええ、まあ・・・」というと、「どこまで行きますか」、「日光まで・・・」というと、手に持っていたスイカをとって、券売機に挿入し、プツン、プツンと数字を押した。直通の特急は、1時間ほど待つけれど、下今市駅で乗り換えれば、7時42分のスペーシア「きぬ」に乗れる、という。切符を受け取りながら、よく見ると、駅員さんの制帽に赤い線があった。えっこの人って、駅長さんだったんです。恐縮して、最敬礼で「ありがとうございました」。
7時42分発の「きぬ」特急に乗車。到着した電車は、がらがらだったが、北千住駅でかなりの乗客。山歩き、観光客が8割ほど、なかには、7,8名の団体さんもいた。
車窓は、いつもながら楽しい。本なんか読んでらんない、スマホなんかいじってらんない。コスモスが満開だ、すすきの白い穂が風に揺れている、色づいた柿の実・・・
8時10分、東武動物公園駅通過、100人くらいの行列、通学のバス待ちの行列だ。ソーシャルデイスタンスをとっているので、列が長くなる。利根川を渡る。茨城県だ。1ダースほどの白鷺が、稲刈り終えたばかりの田んぼで、餌をさがしている。左に大平山、ぶどうの産地だ。梨も栽培している。しばらく、葉っぱが黄色になった豆畑が続く。ここら辺の蔵は大谷石が多い。
そうこうしているうちに下今市駅着。ホーム反対側の日光行に乗り換え、10分ほどで東武日光駅に着いた。途中、JR日光駅を通過、こちらは、立派な駅舎で、皇族ご使用の駅だった。
まっすぐバス停へ。日光のバスは、観光バスではなく、定期バスで、スイカ使用なのだ。待つこと20分。行列は、120人ほど。えっ、こんなに。結局、臨時バスが出たっぱいの乗客を乗せ、いろは坂へ。華厳の滝で20名ほど降りたけれど、同じくらい乗ってきた。乗ったり、降りたりを繰り返しながら、バスは、中禅寺湖畔を往く。空は、しっかり晴れてきた。男体山もよく見える。三本松、戦場ヶ原、光徳牧場などを経由、終点の湯本温泉の手前で、ほぼ全員下車。ここで湯滝見物へ。金精峠への道でもあるので、交通渋滞で20分ほど待たされる。
湯の湖の周辺のベンチは、ほぼ人でいっぱい。夏の上高地のようだ。11時10分、湯元に到着。10分後のバスで戻る。始発時は、3人だったが、途中は、団体さんや、ゴロ引きのトランクを持った観光客も乗り降りし、道路も混雑しているし、コロナ禍になってから、初めて、こんなに多い人間に会った。
宇都宮から来たという男性(70歳くらい)が、隣りに座った。中禅寺湖の遊覧船に乗るつもりで来たのだが、学生たちでいっぱいなので、やめた、と話していた。
ようやく振り出しに戻った。駅のホームのベンチで、持参のおにぎりを食べ、北千住へ。