2021年1月27日水曜日

ハンガリーで会ったジプシー

何年くらい前のことだったか。ジプシーに会った。

 ハンガリーの首都プタベスト。国際会議に出席中で、いつものように、毎朝、ジョギングに。街の高台にあるホテルから坂道を下って、ドナウ川岸にでる。しばらく川岸を走ると、西の方向、オーストリア方向、に草原というか、原っぱがあった。毎朝決まった時間に、バケツを持った男性が、歩いていた。近くの公園からくんできたらしい。3日めの朝、目が会ったので声をかけてみた。

「おはようございます、水汲みですか」、「そうだよ」と英語での返事。通じる、ことがわかり、いまどき、ヨーロッパで断水でもなさそうだし、どこへ運ぶのか、行く先をたしかめたくなった。草っぱらの端にテントが張ってあり、「ここに住んでいるんだよ」、とのこと。

 次の日の朝、同じ時間に行くと、やっぱり、会った。道々訊くと、この一家は、ジプシーであることがわかった。ポルトガル、スペイン、イタリア、フランス、ギリシャら、ハンガリー、ブルガリアなどバルカン半島など、ヨーロッパ全土をほぼくまなく移動しているとのことだった。ジプシーの国際会議などもあり、いちど出たことがあるとも。

 移動式テントは、モンゴルのゲルと同じ感じで、年期の入った中古自動車での移動。トルコ風のコーヒーをご馳走してくれた奥さんは、インド風のサリー姿で、顔つきは、彫りの深い、インド風だった。

 急にこんなことを思い出したのは、ナチ時代、ユダヤ人迫害の本を読んでいたら、収容所へ連れていかれる前に、多数のジプシーが殺されたとの記述をみつけたからだ。現在はその多くが定住しつつあるとのことだが、友人のひとりウイーン在住のフリッツイの祖先は、チェコ(旧)に定住したジプシーだったというのを聞いたことがある。

 ジプシーって、パスポートは、税金は、子どもの教育は、など、どうなっているのだろうか。あの時、もっと聞いておけばよかった。

 ハンガリア狂詩曲(リスト)、サラサーテのチゴイネイルワイぜン、どちらもジプシー音楽、CDを聴こう。



2021年1月24日日曜日

アメリカ大統領就任式

1月、21日、午前1時 (日本時間は、21日の真夜中)、ワシントンからの実況を、ラジオで聴くため、目覚まし時計をかけておいた。9時に寝たので、まだ真夜中。それでも起きた。途中で、テレビをつけた。

 アメリカ大統領の就任式、オバマ、トランプ、これで三人めだ。

 オバマ大統領の時には、黒人初の大統領というので、感動した。国会議事堂前の広場には、全米からの黒人たちが、大勢詰めかけていた。オバマさんは、Changeを繰り返していた。

 トランプ大統領、四年前の就任式。事前の情報から、まさかトランプになるとは、思っていなかったので、トランプWHOという感じで、式典を見ていた。観衆は、オバマ大統領の時よりも少ない感じだった。トランプさんはAMRICA FIRSTを繰り返していた。

 さて、バイデン大統領、78歳というので、迫力には、やや欠けてはいたが、さすが、長年の議員としてのキャリア、演説は、うまい。バイデンさんは、UNITY とDEMOCRACYを繰り返していた。

 ごく限られた人数の、戒厳令下での就任式だったが、演出は、なかなかで、レデイ・ガがのアメリカ国家斉唱は、感動した。レディ・ガガ、名前くらいは、知ってはいたが、彼女の歌を聴いたのは、初めてだった。

 関連のスピーチで、いちばん感動したのは、カマラ・ハリス副大臣。黒人で、アジア系(インド)というハリス副大臣のスピーチの内容は、最高だった。

「私が、初の女性副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。今夜、この場面を見ているすべての幼い女の子たち、分かったはず。この国は、可能性に満ちた国です」

 どこかの国の政治家たちには、ぜひ見てもらいたかった。