夕べ、俳句の季語の本を、なんとなく読んでいたら、「山笑う」が目にとまった。この季節、早春の山が、新芽が、笑っている、という様子を表現したもの、とあった。で、ちょいと行ってみるか、と。
西武線で、秩父にしようか、信越本線で、軽井沢あたり、上毛電気鉄道で、赤城山、いろいろ頭をよぎる。が、なにせ、日帰りの旅、そう遠くへは行けない。そんなことを考えていたら、王子駅についてしまった。
途中の路線バスの車窓からは、満開の桜が見える。西新井から王子行きのバス、荒川を江北橋で渡る。渡る手前の土手に、土手下の平和橋通りも、立派な桜並木。盛りは、ちょっと過ぎた感じだが、まだ、きれい。橋を渡ったところ、巨大な団地がある。豊島五丁目団地、ここも、周辺は、桜、桜、桜。花が咲いていない時には、緑の葉っぱだけなのに。
左折して、王子駅に向かう途中、あそこにも、こちらにも、という具合に桜、桜、桜。日本人って、本当に桜が好きなんですね。
いろいろ考えているうちに、バスは、王子駅着。で、本日の行程が「決定」。
山まで行かなくてもいいや、と近場で桜を堪能することにした。
王子駅から京浜東北線で、大宮駅へ。ここから私鉄に乘り換える。東武野田線ーアーバンパークライン)に乗ることにした。
通勤時間は、すぎており、しかし、1時間に数本は出ている。大宮駅から西船橋駅行きに乗車。発車して、10分も経つと、ありました、見えました。たんぼの中に桜が1本。学校の庭、釣り掘の敷地、民家の庭にも、桜、桜、桜、です。常磐線の柏駅で下車。ここからは、綾瀬まで40分。こちらの沿線は、それほど桜の見どころはない。
路線バス、路線電車でも、結構なお花見ができました。二時には、自宅に戻れました。
東山 三十六峰 みな笑う 清水甚吉
みちのくの 山笑ひをり 昼の酒 青柳志解樹
山笑ひ 人群衆する 御寺かな 虚子
せっかく、いい気分になっていたのに、テレビをつけたら、トランプ関税のニュース。KING OF AME